25 1月 15

警察庁の発表によれば、平成26年1月~11月に発生した、全国の「特殊詐欺被害」は11901件、被害総額なんと498億円7344万円となっており、非常に深刻な問題となっております。詐欺の手口としては「振り込め詐欺」が約9割を占めており、高齢者層がターゲットとされている事がわかります。悪徳業者から、高齢者を守る全国各地の様々な取組みや対策をご紹介します。

警察と連携した金融機関での対策

滋賀県では7行の信用金庫において、愛知県では15行の信用金庫で、県警と連携しての「預金小切手」を用いた犯罪防止対策を講じています。高齢者が多額の現金を引き出す際に、金融機関は県警が作成した「チェックリスト」に基づいて特殊詐欺の疑いがないかを確認します。特殊詐欺の疑いがある方には、発行手数料無料の「預金小切手」を勧めています。例え詐欺に引っかかってしまっても、「預金小切手」であれば現金化の際に金融機関で手続きをする必要があり、犯人を見つけやすくなります。犯人側は足がつく事を恐れて、そのシステムがあるだけでも犯罪抑止力に繋がります。
特殊詐欺の疑いがありながら、小切手の使用を拒否した場合には、警察に通報して警察官から高齢者に事情を聞いて詐欺被害の危険性を確認することとなっています。
もともとこの手法は2014年2月から静岡県警が始めたもので、半年間で約1億5000万円強の被害を未然に防いだという実績があり、これから全国に普及していきそうです。

電話帳からの個人情報削除

特殊詐欺被害グループの大半にNTT電話帳(ハローページ)が悪用されているそうです。名前から高齢者らしい人を判断するそうで、例えば「ヱ」「枝」「代」などの字が含まれる女性名は夫と死別するなどして1人暮らしをしている高齢女性の確率が高いなどと判断されているそうです。
平成26年6月から宮崎県警では、詐欺リスクのある独居高齢者を対象に警察官が電話帳の削除を勧めています。同様の取り組みは島根県でも行われております。かつては大切なコミュニケーションツールであった電話帳が、詐欺に使われてしまうというのは残念なことですが、個人情報を公表する事は今の時代は危険な事となっています。詐欺被害の心配がある方には、前もって削除手続きを行っておいた方がいいかもしれません。
ハロ-ページの削除は以下の連絡先で個人でも手続きを行う事ができます。
局番なしの116へ連絡。タウンンページの場合は0120-506309へ連絡を行って下さい。
マンガでわかりやすく注意喚起
消費者被害から身を守る為には、結局高齢者本人の注意が一番です。その為には、詐欺業者のあの手この手を知り、これはあやしいというポイントを知る事が重要です。
東京都消費生活総合センターは、その様な詐欺業者の手口を面白く学べる『飯田橋四コマ劇場』を作成しました。
「還付金詐欺」「リフォーム詐欺」「ワンクリック詐欺」など、悪徳商法の手口を、コミカルな悪徳業者キャラクターが演じながらわかりやすく「四コマ漫画」で解説しています。楽しみながらも、あやしいポイントと、対応についてのアドバイスも描かれており、しっかりと知識が身につく内容となっています。気になる身近な高齢者へのアドバイスにも使いやすいので、興味のある方は、東京くらしwebで『飯田橋四コマ劇場』をご参照下さい。

1. 見守りのネットワーク
高齢者本人への防止策だけでなく、地域住民によるネットワークや、専門職による見守りの強化が進められている所もあります。
新潟県や長野県では、「消費生活サポーター」を募集して希望をされる住民に講座を設けています。18歳以上の県民であれば申し出が出来て県知事のもとで承認を判断されます。認定された方に対して、市の消費者庁職員や消費生活センター相談員によって「サポーター養成講義」が行われて「消費生活サポーター」に認定されます。
消費者被害の啓発、相談機関への橋渡し、見守り活動を行うなど、行政や消費生活センターが行う役割を地域住民の方が一緒に担う事で、同じ目線で身近に広く見守りを進めていく事が期待されています。

また福井県では、高齢者に接する機会の多い「地域包括支援センター職員」や「ケアマネジャー」に対して、悪徳商法から高齢者を守る対応マニュアルを作成しています。県警、弁護士会、消費生活センターによって作成されたこのマニュアルには、詐欺に気づく為のポイント、頻出している詐欺事例、トラブル対応の流れと連絡先が掲載されて、消費者被害の早期発見と予防に役立てられています。

誠実に高齢化社会と向き合っていくために

超高齢化社会を迎えて、これから更に増えていく高齢者は人口が多く、お金を持っており、企業にとっては格好のビジネスの対象となっています。そしてまともな企業が考える事であれば、「高齢者がどの様な事を望み」、「どうすればより良く生きられるのか?」を考えて、ビジネスに結びつけるwin-winの関係を模索していると思います。それに対して悪徳業者は高齢者の弱点につけこみ、長年苦労して蓄えてきたお金を不当に奪い取るなど、高齢化社会への最悪の向き合い方であると言えます。自分達の老後の為に、あるいは子どもや孫の為に、一生懸命貯めてきたお金を奪われてしまう高齢者の絶望がどれほどの事なのか、悪徳業者の方々には想像ができないのでしょう。不幸な事に悪徳業者の従業員の中には、会社の実態を知らずに自分達のしている事が詐欺行為である事を知らずに働いる人もいるそうです。しかし例え知らず知らずであっても、人を泣かせ続ける生き方をした報いは必ず帰ってくるもの、結局自分たちも幸せになれるはずがありません。
途方に暮れる高齢者も、事の重さを理解していない加害者もつくらない為にも消費者被害は未然に防いでいく事が必要であると思います。高齢者を尊重し、まともに共生していける社会をつくる為にも、悪徳業者を撲滅していきましょう。

また高齢者の消費者被害をみかけた際は、お近くの消費生活センター、地域包括支援センター、警察へご相談を行って下さい。


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